職業被ばく

改正電離則の経過措置対象の医師を指定していますか?

2021年4月1日、眼の水晶体の新等価線量限度の取り入れを基軸とした改正電離放射線障害防止規則(以下、電離則)が施行しました。https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/000753878.pdf

水晶体の新等価線量限度は「100 mSv/5年かつ50 mSv/年」です。

「100 mSv/5年」の5年間は決まっており、2021年4月1日から2026年3月31日までです。

ただし、一定の医師(以下、経過措置対象医師)については、眼の水晶体の等価線量限度について下記の経過措置が設けられています。

・令和3年4月1日~令和5年3月31日の間 1年間につき50mSv
・令和5年4月1日~令和8年3月31日の間 3年間につき60mSvおよび1年間につき50mSv

経過措置対象医師とは、

放射線業務従事者のうち、遮蔽その他の適切な放射線防護措置を講じてもなおその眼の水晶体に受ける等価線量が5年間につき100mSvを超えるおそれのある医師であって、その行う診療に高度の専門的な知識経験を必要とし、かつ、そのために後任者を容易に得ることができないもの

となっています。

また、経過措置対象医師とするためには以下の条件を満たす必要があります。

・経過措置対象医師は、令和5年3月31日までの間に、衛生委員会の調査審議などを経た上で、事業者が指定してください。
・事業者は、経過措置対象医師に指定する医師に対し、指定する旨を通知するとともに、氏名、医籍登録番号、診療科名、経過措置の対象とする根拠となった具体的な事由を記録して令和8年3月31日まで保存してください。
・改正電離則の施行(令和3年4月1日)時に、現に使用している医師を経過措置対象医師に指定しようとする場合は、改正電離則の施行後遅滞なく指定してください。また、施行日から令和5年3月31日までに雇入れまたは配置換えした医師を経過措置対象医師に指定しようとする場合は、雇入れまたは配置換え後に遅滞なく指定してください。

眼の水晶体の新等価線量限度を遵守できるようにするための十分な防護措置を講じるために時間を要する場合には、眼の水晶体の新等価線量限度を超えそうな医師を経過措置対象医師として指定して法令違反にならないようにする必要があります。

本サイトが2021年2月14に掲載した記事「職業被ばくの適正管理に向けて」で紹介した「線量限度を超えそうな放射線業務従事者数と業務(X線診療室等)の確認」は済んでいますでしょうか。

眼の水晶体の新等価線量限度を超えそうな従事者の把握と必要があれば経過措置対象医師の指定を確実にできれば早めに行ってください。

経過措置は2年間しかありません。
その後の3年間だけに限ると「100 mSv/5年」よりも実質的に厳しくなります。

そのため、できるだけ早期に眼の水晶体の新等価線量限度を遵守できるようにするための十分な防護措置を講じてください。

線量低減策については下記の記事を参照してください。
「医師を中心とした職業被ばくを低減するための具体的な方策Ⅰ」
「医師を中心とした職業被ばくを低減するための具体的な方策Ⅱ -防護眼鏡の使用―」

2021.04.03

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