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研究成果論文「 ERCP検査におけるX線診療室内散乱線量の個人線量当量としての測定」が早期公開されました

令和元年度~令和3年度の労災疾病臨床研究事業費補助金研究「医療分野の放射線業務における被ばくの実態と被ばく低減に関する調査研究」(研究代表者:細野眞(近畿大学 教授))と本学との共同で研究した成果(論文)がJ-STAGEに早期公開されました。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrt/advpub/0/advpub_2022-1149/_article/-char/ja

論文のタイトルは,「 ERCP検査におけるX線診療室内散乱線量の個人線量当量としての測定」です.

J-STAGE本公開は4月20日です.
また,日本放射線技術学会雑誌への掲載は2022年4月号(78巻4号)と連絡を受けています.

論文では,線量(分布)を個人線量計で直接測定しています.そのため,関係法令で規定する職業被ばくの線量限度と直接比較することが可能になります.
これによって,線量限度を超えるか否かの事前検討や線量限度を超えないためのIVRの手技回数等を事前に推定することができます.
また,防護眼鏡や水晶体専用個人線量計の着用基準の事前検討も可能です.

患者の救命行為でもあるIVRを施行する医師は,高いレベルの技術が要求され,誰でも代われるわけではありません.そのため,職業被ばくの線量限度を超えることが危惧されています.また,線量限度を超えないようにするためには,IVRの手技回数を抑制しなければならなくなる可能性もあります.それは,つまり,救える患者の命が少なくなるということです.それを回避するためには,防護眼鏡や防護クロスを使用して医師の被ばく線量を低減するが求められます.しかし,これらの防護機材は高価で簡単に購入できるものではありません.また,防護機材の使用はIVR手技の支障になる可能性もあり,術者である医師の理解が必要です.本論文が示した方法で,防護機材の防護効果を事前に評価し,線量限度を超えないために使用することがどの程度求められるのかを推定することができます.また,本法によって,防護機材の有用性を数値化ならびに可視化することができますので,医師の理解も容易で積極的に使用するようになることが期待されます.病院の経営環境は厳しいですが,職員である医師の労働安全を確保することが数値化されて示されれば,購入にも前向きになるのではないでしょうか.

本論文が,皆様の参考になりましたら幸いです.

なお,職業被ばく線量限度の法改正の経緯IVR術者である医師等の線量低減が求められていることについては本ブログの記事を参照ください.

また,この成果の一部を,下記の学会のフォーラムで発表予定です.
第78回日本放射線技術学会総会学術大会(パシフィコ横浜)
JSRT関係法令委員会・JSMP防護委員会合同フォーラム
「不均等被ばく管理への現場での実態と対策」
2022年4月16日(土)

筆者は,労災疾病臨床研究事業費補助金研究「医療分野の放射線業務における被ばくの実態と被ばく低減に関する調査研究」の研究分担者を務めさせていただきました.その成果(論文)が,やっと公開されました.この後も3編の論文が既にアクセプトされていて,順次公開される予定になっています.

公開時期が決まりましたら,お知らせするようにいたします.

2022.03.19

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