職業被ばく

複数のX線診療室で従事する医師の被ばく測定のアイディア

医師を中心に職業被ばく線量の管理に課題があります。

その一つが、複数の病院で被ばくする場合や同じ病院でも複数のX線診療室(通称:レントゲン室)で被ばくする場合の線量の統合です。

同じ病院の中でも線量の統合が十分ではない可能性があるのです。

医師は、複数のX線診療室で放射線診療に従事します。しかし、そのすべてで職業被ばく線量を測定できていない可能性があります。

それは職業被ばく線量を測定するための個人線量計をすべての勤務場所で着用できていないからです。

例えば、以下の診療科の医師は複数のX線診療室で放射線診療に従事する可能性があります。

整形外科医:一般X線透視室、手術室
消化器内科医:一般X線透視室、内視鏡室
循環器内科医:複数のX線透視室

なぜ、すべてのX線診療室で職業被ばく線量を測定することができないか?というと個人線量計を主に使用するX線診療室に置いておくために他のX線診療室では着けにくい場合があります。また、忙しい中で病院の中を移動するたびに個人線量計を常時携帯していることが簡単ではないためです。
そのため、医師が常時個人線量計を携帯しやすくする方策が必要です。

そのアイディアの一つを図1に示します。

医師はいつでも連絡を取れるようにするために院内で医療専用のPHSを常時携帯しています。そこで、このPHSに個人線量計を付けられるようにできればどこでも個人線量計を着用できるようになると考えています。

図1の写真はイメージです。PHSか個人線量計のどちらかに付けやすいように工夫も必要かもしれません。

このアイディアは私ではなく前任の病院の診療放射線技師の方にご提供いただきました。

病院の放射線管理者や医師の方々も工夫して利用されてはいかがでしょうか。

現在、線量測定サービス会社の担当者の方にもこのアイディアを提供して何か工夫ができないかをご検討いただいています。

医師の職業被ばく管理にはいくつかの工夫と作業が必要と考えています。

皆様の病院でもご検討ください。

2021.08.21

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