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放射線業務従事者に対する基本的な放射線管理に関する論文が掲載されました

下記の研究成果論文「 医療機関における放射線業務従事者に対する基本的な放射線管理に関する調査報告」が掲載されました。

渡邉 浩,山本和幸,坂本 肇,他.医療機関における放射線業務従事者に対する基本的な放射線管理に関する調査報告.日本診療放射線技師会誌 2022;69(837):28-35.
2022-07_cc2019.indb (jart.jp)

本研究(論文)は,令和2年度労災疾病臨床研究事業費補助金研究「医療分野の放射線業務における被ばくの実態と被ばく低減に関する調査研究」(研究代表者 細野 眞(近畿大学 教授))の研究活動の一環として行ったものです。
本研究の調査は,設問総数が74と非常に多く,医療機関における放射線業務従事者(以下,従事者)の放射線管理状況を幅広く調査しています.そのため,テーマごとに3編に分けて論文化しました.今回の論文は「放射線管理」を主なテーマにしています.
1つ目の「防護研修」をテーマにした論文は2022年4月に日本診療放射線技師会雑誌に掲載されています.
放射線業務従事者に対する放射線防護研修に関する論文が掲載されました – WEB放射線管理室 (radi-manage.site)

基本的な放射線管理はできている

従事者の毎月の被ばく線量をチェックしている医療機関と従事者ごとに定期的に測定結果を配布している医療機関は両方とも96%で,測定結果の医療機関内組織の把握を意味する委員会等への報告については67%実施されており基本的な従事者管理は概ね実施できていました.

従事者管理は放射線部門と事務局で行っている

従事者の管理や個人線量計の配布,回収等の作業は「事務局」と「放射線部門(診療放射線技師)」で実施していました.診療放射線技師が関与していれば,線量の多寡や線量限度を超える恐れのある従事者の把握と超えないための措置について的確に実施できる可能性があるが事務局だけで管理している場合には管理基準と方法を明確にして専門的な知識が少なくても適切に対応できるようにする必要があります.

従事者登録基準が職種によって異なっている

管理区域に立ち入る者の従事者登録基準については,診療放射線技師が「全員管理」とする医療機関(96%),とほぼ全員管理しているのに対して,医師は「全員管理」とする医療機関(56%)と「管理区域に立ち入る頻度(による)」によって登録している医療機関(40%)とに二分されていました.看護師については「全員管理」(27%)と「管理区域に立ち入る頻度(による)」(64%)と全員管理の比率の方が少なくなっています.職種によって従事者の登録のあり方がさまざまであることが分かりました.
夜間・当直帯・救急において,突発的にX線透視を伴う検査や治療を行うことがあります.頻度は病院によってまちまちで,1月に1回作業するかどうかという医師や看護師も多くいます.このような方々全員に,職業被ばく線量を測定するための個人線量計を配布することは,病院の経済的負担になります.今後,どのように管理していくべきなのかを議論していくことが求められています.

職業被ばくの線量限度を超えないようにするための方策

職業被ばくの線量限度を超えないようにするために従事者に対する最低減の方策や措置は概ね講じられていました.ただし,線量限度を超えないものの通常よりもイレギュラーに高くなった従事者に対して,口頭による注意喚起が主でした.口頭による注意喚起だけでなく,イレギュラーに高くなった原因の究明とその原因を排除し線量を低減するための具体的な方法を指導あるいは啓発することが必要です.文書や口頭による注意喚起や単なる部署異動では恒常的に線量が高い従事者がいるという問題の改善には繋がらないということも理解しておく必要があります.

本研究成果(論文)が,医療従事者の職業被ばく低減に少しでも貢献できれば幸いです.
なお,この成果の一部は,下記の学会のフォーラムで発表しました.
第78回日本放射線技術学会総会学術大会(パシフィコ横浜)
JSRT関係法令委員会・JSMP防護委員会合同フォーラム
「不均等被ばく管理への現場での実態と対策」
2022年4月16日(土)
https://radi-manage.site/wp-admin/post.php?post=487&action=edit

また,J-RIMEのホームページ(*)にも、厚生労働省労災疾病臨床研究事業 放射線防護分野研究班合同連絡会議資料として掲載されていますので、是非ご覧ください。
*:厚生労働省労災疾病臨床研究事業 放射線防護分野研究班合同連絡会議資料
http://www.radher.jp/J-RIME/

2022.08.14

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