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私たちは原発事故に備えていました

2011年3月11日に発生した東日本大震災に由良して生じた福島原発事故は多くの人が想定外であった、とおっしゃっていました。しかし、私たちは原発事故(原子力災害を含む)を想定して、組織を編成し、訓練を行って準備していました。
福島原発事故から12年が経ちました。今回は私たちがいかに準備してきたかを紹介したいと思います。

原子力災害訓練

神奈川県放射線管理士部会と東京都放射線管理士部会は、2003年年11月1日(土)、神奈川県横須賀市で開催された「横須賀市医師会災害訓練(原子力災害)」を横須賀市医師会とともに共催しました。私たち神奈川県放射線管理士部会は、この訓練の企画段階から参画するとともに、サーベイメータの実体験の講師、机上訓練のモデレータも担当しました。
この訓練には、横須賀市医師会、横須賀市教育委員会、横須賀市管轄の消防署の皆様も参加しました。

放射線管理士とは、診療放射線技師資格を基本的なベースとして、日本診療放射線技師会が認定する放射線管理や原子力災害対応のスペシャリストです。

また、神奈川県放射線管理士部会は、神奈川県放射線技師会の下部組織になります。また、活動は横須賀三浦放射線技師会の下部組織であるNASチームと協力して活動しています。なお、当時、私は神奈川県放射線管理士部会の部会長を務めておりました(現在は顧問)。

訓練は、原子力災害に関する近藤久禎先生(当時:放射線医学総合研究所)の講演の後、放射線管理士によるサーベイメータの実体験、原子力災害時の避難所・救護所活動を想定した机上訓練の順に開催しました。

図1は、原子力災害時の避難所・救護所活動を想定した机上訓練の様子です。地元の小学校の校長先生、消防署員、地域のクリニックの関係者の方々です。

図2は神奈川県放射線管理士部会メンバーによる、原子力災害時の避難所・救護所のレイアウト設計をアドバイスさせていただいているところです。原子力災害時は、福島原発事故でもそうであったように、放射能汚染している可能性があることを想定し、汚染を拡大しないように配慮してレイアウトを決めることが重要です。

スクリーニング講習会

私たちは、原子力災害に備えて、毎年3回程度、訓練を行っていました。
図3は訓練の様子です。放射能の汚染拡大を防止するために、床等を養生し、防護服を着用して、放射能汚染の有無を確認する検査(スクリーニング検査)の様子です。

このスクリーニング講習会は、現在でも定期的に行っています。

2023.03.21
群馬パース大学
渡邉 浩

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