神奈川県放射線技師会放射線安全管理委員会が活動の一環として2021年度に実施した一般撮影領域の医療被ばく線量に関する調査結果を2022年度診療放射線技師関東甲信越学術大会において発表しました。発表者は新田委員(聖マリアンナ医科大学病院)です。
発表後、会場から評価するコメントもいただけました。
2022年 関東甲信越診療放射線技師学術大会 – 【群馬開催】関東甲信越診療放射線技師学術大会 (jimdofree.com)
日程:2022年6月25日(土)
会場:Gメッセ群馬
神奈川県内における一般撮影領域の 2021 年度線量調査報告
聖マリアンナ医科大学病院 新田 正浩
神奈川県放射線技師会では、2015年のJ-RIMEによる診断参考レベル(DRLs)公表を受けて、神奈川県内の医療機関における医療被ばくの最適化を進めるために下記の領域の線量調査等の活動を行っています。なお、J-RIMEは2020年にDRLsを改訂しています。
2015年:一般撮影
2016年:CT
2018年:血管撮影・IVR
2021年:一般撮影(2回目)
今回の発表は、2021年に実施した2回目の一般撮影領域の調査結果の報告でした。
2015年おいても神奈川県は全国に比べて最適化が進んでいました(*1)が、さらに進んでいることが分かりました。詳細は今後の論文でご確認ください。
*1:渡邉 浩 他.一般撮影の医療被ばくの防護を最適化するためのベンチマークドーズ(BD)の提案.日本放射線技術学会雑誌 2018;74(5):443-451.
神奈川県放射線技師会活動の特徴は、線量等の調査を行うだけでなく、調査結果を施設にフィードバックしていることです。回答していない施設にも配信する場合もあります。回答施設には、当該施設の線量が県内の回答施設の中で、どの位置にあるかが分かるようにもしています。
上図に、線量調査結果のフィードバック例を示しました。
この病院では、本会からフィードバックされた線量分布図に自施設の位置を赤の線で示して、部署内に掲示しています。これによって、スタッフの最適化意識を高めています。
筆者はこの活動の担当組織である放射線安全管理委員会の委員長を務めておりました(現在は委員)。
現在は、2018年に実施した血管撮影・IVR領域の調査結果をまとめています。
今後も活動状況をお知らせしたいと考えています。
2022.06.26