日本のCTの遮蔽計算法(Japanese-DLP法)の改良に向けた検証研究論文が掲載されました。
渡邉 浩, 上原 拓馬, 白崎 由徳, 林 卓郎, 岩井 譜憲.X線CTの遮蔽計算法であるJapanese-DLP法を改良するための検証研究.保健物理 2022;57(2):87-92.
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jhps/list/-char/ja
CTは現在の医療に必要不可欠な医療技術です。
しかし、放射線を発生する装置であるため、病院に設置する場合は事前に安全評価を行うことが求められています。
その方法は遮蔽計算と呼ばれています。
特に、CTは一般撮影(通称レントゲン)よりも100倍線量が高いとされ、CT室内の散乱線量も高いことが知られています。
日本のCTの遮蔽計算法は、渡邉ら(*1)が提唱したJapanese-DLP法を基に日本放射線技術学会が、遮蔽計算マニュアル(*2)を作成しています。
今回の論文は、Japanese-DLP法の改良を目的に検証した研究です。
本研究は、群馬パース大学保健科学部(現、医療技術学部)放射線学科の診療放射線学研究(卒業研究)の一環として行ったものです。
*1:H. Watanabe, K. Noto, T. Shohji, Y. Ogawa, and T. Fujibuchi, et.al. A new shielding calculation method for X-ray computed tomography regarding scattered radiation. Radiol. Phys. Technol. 2017;10:213-226.
*2:10. 日本放射線技術学会; X線CT室の漏えい線量計算マニュアル第1版.2019.Available at: https://www.jsrt.or.jp/data/wpcontent/uploads/2019/01/c7c90cd1e18518b827fecb51c7dfdfe4.pdf.
本研究成果(論文)が現在の医療に必要不可欠なCTの健全な発展に寄与できましたら幸いです。
2022.10.23
群馬パース大学 渡邉 浩