小児股関節撮影における生殖腺遮蔽に対する現状報告
小児股関節撮影における生殖腺遮蔽に対する現状報告が行われました。
発表者は神奈川県放射線安全管理委員会の大村樹さん(聖マリアンナ医科大学病院)です。
2025年12月6日(土)と7日(日)に長野県長野市で開催された公益社団法人日本放射線技術学会第72回関東支部研究発表大会で発表されました。
演題名は、神奈川県内医療機関における小児股関節撮影の生殖腺遮蔽に対する現状報告です。
私の共同演者の一人です。
神奈川県放射線技師会では、県内の医療被ばくの最適化としての調査事業や職業被ばくの低減に積極的に取り組んでいます。
2015年と2020年には一般撮影、2017年と2023年にはCT、2018年にはIVR・血管造影における患者の被ばく線量(医療被ばく)の調査を行って、論文化して公表しています。
原著論文として掲載された2つの論文を下記に紹介します。
渡邉浩,関将志,新田正浩,芹田樹、前原善昭,大倉秀昭,村上朋史,山本和幸,佐藤努,田島隆:一般撮影の医療被ばくの防護を最適化するためのベンチマークドーズ(BD)の提案.日本放射線技術学会雑誌2018;74(5):443-451.
小川 泰良,渡邉 浩 ,新田 正浩,今尾 仁,前原 善昭,曽我部 和美,飯塚 芳弘:神奈川CTアンケート調査における線量低減に対する逐次近似画像再構成法の寄与.日本診療放射線技師会雑誌2021;68 (822):25-32.
現在、世界的に小児の股関節撮影の遮蔽に関する提言や見直しが行われております。
このような国内外の動向を踏まえて、2025年1月、放射線診療に関係する4団体が共同声明として「股関節撮影時の生殖腺遮蔽の見直し」を発表しました。
公益社団法人 日本診療放射線技師会
このような現状を受けて、神奈川県放射線技師会が、2025年5月1日から6月13日の期間で、神奈川県放射線技師会所属の会員が在籍する医療機関を対象に調査を行いました。
「股関節撮影時の生殖腺遮蔽の見直し」の認知度、生殖腺遮蔽の実施状況ならびに生殖腺遮蔽を廃止する上での課題について調査結果を発表しています。
神奈川県放射線技師会放射線安全管理委員会では、今回発表しきれなかったことを含めて継続的な対外発表や議論する機会を設けることを検討していますので、これから生殖腺遮蔽を実施することを検討している病院や既に実施している病院はこれから問題が生じないのかを検討することに役立てていただければと思います。
2026.01.24
群馬パース大学医療技術学部放射線学科
教授 渡邉 浩