職業被ばく

IVRの術者である医師の先生方へ、リング型線量計を着用しましょう。 -放射線障害の発生防止のために-

2021年7月17日に掲載した記事で、医師に放射線被ばくによる皮膚障害が生じていることをお伝えしました。また、医師の職業被ばくが適切に管理されていないことをNHKが報道していることもお伝えしました。

職業被ばくは法令で線量限度が設定されています。

手指の場合は電離放射線障害防止規則(以下、電離則)では下記のとおり設定されています(図1)。

赤字の部分が手指の皮膚になります。

つまり、線量限度は 500 mSv/年 です。

また、電離則では職業被ばく線量の測定部位も定めています(図2)。赤字に示した「最も多く放射線にさらされるおそれのある部位が頭・頸けい部、胸・上腕部及び腹・大腿たい部以外の部位であるときは、当該最も多く放射線にさらされるおそれのある部位」に相当します。

X線透視(一次線)内に手指を入れるということはどういうことか、X線透視画像の例を図3に示しました。水晶体の等価線量限度の大幅な引き下げで水晶体の線量低減が求められていますが、水晶体(や術者の体幹部)が受ける放射線は散乱線と言って一次線よりも少ないのです。一次線の中に手指を入れるということはそれだけ線量が高い放射線を浴びるということを意味します。したがって、図2に示したように体幹部よりも手指(皮膚)が線量が高くなりますのでその線量を測定しなければなりません。
一次線の中に手指が入らなくてもすぐ近くにある場合は体幹部よりも高くなる可能性が高いですので、この場合も放射線管理者と相談して体幹部とは別に線量を測定してください。

手指の線量を測定する線量計として線量測定サービス会社から図4に示したリングバッジとガラスリングが提供されています。このリングを最も線量が高くなる指に指輪と同じように着用します。このリング型の線量計であればそれほど手技に支障はないはずです。放射線防護手袋はこのリング型線量計をした状態で着用します。(リング型線量計は放射線防護手袋の中)


リング型線量計で測定した線量は皮膚の線量として記録されます。図5と図6に示した線量測定サービス会社の個人報告書の例の赤枠の箇所に記載されます。

この線量がこの記事の序盤で紹介した線量限度である500 mSv/年を超えないようにします。

また、下記の線量低減方法を実践してさらに低減するようにしてください。

  1. 放射線防護手袋を着用する。
  2. X線透視(一次線)内に出来るだけ手指をいれない。
  3. 不必要なX線透視や撮影を行わない。

 

なかなか難しいことは承知していますが、慣れればそれほど苦にならない場合もありますのでまずは始めてみてください。

放射線管理者の方はサポートをお願いします。

今回の記事は医師に限定しています。看護師さんや診療放射線技師は手技を工夫し適切に管理すれば線量限度を超える被ばくはなくなる場合がほとんどのはずです。放射線管理者の方と相談して線量低減に努めてください。

2021.07.31

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  1. […] 2021年7月17日の掲載した記事「医師を中心とした医療従事者の職業被ばくの本格的低減へ -放射線障害…において、図1に示すようにIVRを実施する医師等の医療従事者の手指に放射線障害が生じる事例があることを紹介しました。 […]

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