サイト情報&その他の活動等

医療機関における放射線業務従事者への個人線量計および放射線防護機材の配布ならびに着用状況等に関する調査報告論文が掲載されました

「医療機関における放射線業務従事者への個人線量計および放射線防護機材の配布ならびに着用状況等に関する調査報告」が掲載されました。

渡邉 浩,山本和幸,坂本 肇,他.医療機関における放射線業務従事者への個人線量計および放射線防護機材の配布ならびに着用状況等に関する調査報告.日本診療放射線技師会誌 2022;69(841):17-27.
http://www.jart.jp/activity/ib0rgt0000008j8g-att/ib0rgt0000008jck.pdf

本研究(論文)は,令和2年度労災疾病臨床研究事業費補助金研究「医療分野の放射線業務における被ばくの実態と被ばく低減に関する調査研究」(研究代表者 細野 眞(近畿大学 教授))の研究活動の一環として行ったものです。

本研究の調査は,設問総数が74と非常に多く,医療機関における放射線業務従事者(以下,従事者)の放射線管理状況を幅広く調査しています.そのため,テーマごとに3編に分けて論文化しました.今回の論文は「個人線量計および放射線防護機材」を主なテーマにしています.

1つ目の「防護研修」をテーマにした論文は2022年4月に日本診療放射線技師会雑誌に掲載されています.

投稿を編集 “放射線業務従事者に対する放射線防護研修に関する論文が掲載されました” ‹ WEB放射線管理室 — WordPress (radi-manage.site)

2つ目の「放射線管理」をテーマにした論文は2022年7月に日本診療放射線技師会雑誌に掲載されています.

投稿を編集 “放射線業務従事者に対する基本的な放射線管理に関する論文が掲載されました” ‹ WEB放射線管理室 — WordPress (radi-manage.site)

本論文の主な成果を下記に列挙しました。

1.医療機関の71%で個人線量計を着用しない放射線業務従事者に対する指導ができていない。
2.医療機関の89%で水晶体専用個人線量計の配布基準がない。
3.X線透視を使用する多くのX線診療室において防護機材の配備にも課題がある。

そして、本研究結果により,以下の4つの医師を中心とした

医療従事者の水晶体の新等価線量限度を遵守するための方策を導出しています.

1)部署や職種の壁を取りはずして着用を促すシステムを構築する.
2)医療機関内の担当する組織が着用状況を把握できるシステムを構築する.
3)必要な放射線診療や診療科等においては防護眼鏡や天井吊り防護板ならびに水晶体専用の放射線測定器についても放射線から自分自身を防護するために必須であるとの理解の向上を図る.
4)医療機関に対して,水晶体専用測定器の配布基準の設定と線量に応じた防護機材の配備を促す.

本研究成果(論文)が,医療従事者の職業被ばく低減に少しでも貢献できれば幸いです.

なお,この成果の一部は,下記の学会のフォーラムで発表しました.
第78回日本放射線技術学会総会学術大会(パシフィコ横浜)
JSRT関係法令委員会・JSMP防護委員会合同フォーラム
「不均等被ばく管理への現場での実態と対策」
2022年4月16日(土)
投稿を編集 “JSRT放射線管理フォーラム(2022.10.09)の現地開催が成功裏に終了しました” ‹ WEB放射線管理室 — WordPress (radi-manage.site)

2022.11.13
群馬パース大学 渡邉 浩

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です