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放射線管理フォーラムにおける講演概要の紹介1:放射線管理状況調査結果

医療放射線領域では国内最大規模の学会JRC2022が下記の日程と会場で開催されました。
その中で、職業被ばくに関する下記の企画があり、私も少しだけお話しましたので、私がお話の概要を紹介させていただきます。今回は、放射線管理状況調査結果について紹介します。なお、紹介内容は私の話に関することだけで、他の講演者の内容は含まれていません。

JRC2022(Japan Radiology congress 2022)
日程:2022年4月14日(木)~17日(日)
会場:パシフィコ横浜 会議センター
日本放射線技術学会(JSRT)第78回総会学術大会
https://www.jsrt.or.jp/gmeeting/soukai78/

JSRT関係法令委員会・JSMP防護委員会合同フォーラム
「不均等被ばく管理への現場での対応と対策」

日程:2022年4月16日(土)15:20~16:20
会場:パシフィコ横浜 会議センター

1. 法令改正の概要と状況
厚生労働省(電離放射線労働者健康管理室)
2. 不均等被ばく管理に関する現場対応の実態
日本赤十字社 武蔵野赤十字病院 荒井一正
3. 労災疾病事業の成果
学校法人群馬パース学園 群馬パース大学 渡邉 浩

労災疾病臨床研究事業費補助金研究「医療分野の放射線業務における被ばくの実態と被ばく低減に関する調査研究」成果の紹介

労災疾病臨床研究事業費補助金研究には、近畿大学教授の細野先生の研究班の他にも職業被ばくをテーマにする研究班があります。私は細野先生(近畿大学教授)が研究代表者を務める研究班の研究分担者を務めておりました。本日は細野先生の研究班活動の中から、私が担当した分の一部をご紹介させていただきました。

医療機関における放射線管理状況に関する調査結果の論文

私の分担研究では、医療機関の放射線管理状況に関するアンケート調査を2019年度から2021年度の3年間、行っています。2020年度に行った調査は設問総数が74にものぼる幅広い調査を行いました。そのため、調査結果を3編の論文に分割してまとめ、基本的な放射線管理、防護研修ならびに測定器と防護機材の配備・着用状況の3つのテーマごとに論文化して日本診療放射線技師会雑誌に投稿しており、既に3編ともアクセプトされています。そして、防護研修をテーマにした論文が2020年4月号に掲載されました。この紹介は既に記事にしています。他の2編も随時掲載されるものと思います。本日は時間の都合上、一部のみ紹介しました。全体かつ詳細には論文ならびに研究班の報告書でご確認ください。なお、2021年度もほぼ同様の調査を行って報告しております。

放射線被ばくする可能性のある医療従事者の放射線業務従事者登録状況

放射線被ばくする可能性のある医療従事者の放射線業務従事者(以下、従事者)の登録状況を調査した結果、診療放射線技師はほぼ100%、従事者として管理されていますが、医師や看護師は100%にほど遠い登録率でした。現状の問題点の一つに、従事者としての登録(管理)基準が病院や職種によって異なる、という現状があります。

放射線測定器の着用率が低く、着用の促しが不十分

放射線測定器を100%着用している施設が少ないことが分かりました。
また、着用率が100%ではない施設において、着用を促すことが十分に出来ていないことが分かりました。

職種と部署の壁を乗り越えて着用率を上げる

放射線測定器の着用を促すことが出来ない理由として、職種と部署の壁が障害になっていることが分かりました。
放射線測定器の着用率を100%にするためには、職種と部署の壁を乗り越えて着用を促すための方策が必要です。

X線装置に線量測定を100%にする

IVRの診断参考レベル(DRL)の指標である、基準透視線量率の測定率が100%ではないことが分かりました。
なお、診断参考レベル(DRL)についてはこの記事を参照ください。

高線量装置を低線量装置に更新する

診断参考レベルの指標である、基準透視線量率の測定施設に装置ごとに線量率を回答いただきました。2020年版のDRLでは基準透視線量率は17mGy/minですが、これを超えている施設があります。IVRにおいて、医療従事者の職業被ばくは一次線ではなく散乱線ですが、散乱線は一次線の多寡に起因します。DRLを超えているような高線量装置を出来るだけ早く低線量装置に更新することが、医療被ばく(患者の被ばく)と職業被ばく(医療従事者の被ばく)の両方にとって効果的な線量低減方策です。
このことは、労働衛生3管理の一つである、労働環境のより上流の有害物質を排除する、という考え方にも合致します。
IVR等の放射線診療を行う医師の方々は、X線装置によって患者や自分たちの被ばく線量が違うのだということを認識していただく機会にしていただければと思います。

今回紹介した内容で未掲載論文の詳細は今後掲載される論文でご確認ください。

2022.04.23

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