医療従事者の放射線安全に関するガイドラインが公開されました
公益社団法人日本医学放射線学会より、2025年10月30日、「医療従事者の放射線安全に関するガイドライン」が公開されました。
公益社団法人日本医学放射線学会|医療従事者の放射線安全に関するガイドラインの策定について
放射線診療従事者の安全のための研修ビデオも公開されています。
このガイドラインでは、参考として、関係する電離放射線障害防止規則、医療法施行規則ならびに労働安全衛生法などの関係条文も記していますので、とても分かりやすい構成になっています。
このガイドラインのポイントを取り急ぎ下記にご紹介させていただきます。
関係する方々の参考になりましたら幸いです。
「医療従事者の放射線安全に関するガイドライン」のポイント
1)現在、問題の多い医療用エックス線装置は、医療法施行規則や電離放射線障害防止規則の対象で、放射性同位元素等の規制に関する法律(RI法)の対象ではありませんが、RI法に基づいた放射線業務従事者(医療法施行規則では放射線診療従事者)の放射線安全を確保するための推奨事項を整理して示しています。
2)法的義務だけでなくても、推奨される事項や努力目標も区別して示しています。
3)放射線診療従事者安全管理責任者の配置を推奨しています。
4)放射線診療従事者安全管理責任者の責務を、下記のとおり具体的に列挙しています。
放射線診療従事者等の放射線防護に係る内部規程の策定
放射線防護具の配置の立案及び確認
放射線診療従事者等の放射線被ばく線量測定の実施及び評価
放射線診療従事者に対する健康診断の実施
放射線診療における職業被ばくの防護に係る研修の実施
放射線診療における作業状況の把握
線量測定、健康診断、作業状況調査等の結果に基づく放射線診療従事者等への指導
放射線診療従事者等の放射線防護の改善のための病院長等への意見具申
その他、院内の職業被ばくに関する安全確保のために必要な事項
5)放射線診療従事者の放射線安全を確保するために、「診療従事者放射線障害予防規程」の策定を推奨しています。
この予防規程には下記の事項を規定することを求めています。
放射線診療従事者として管理する対象者の認定基準
放射線診療従事者安全管理責任者の要件、責務、権限
放射線診療従事者安全管理委員会に関する事項
放射線診療従事者等の放射線被ばく線量測定及び線量限度に関する事項
放射線診療従事者の健康診断に関する事項
放射線診療従事者の研修に関する事項
線量測定、健康診断等に係る問題発生時の対応に関する事項
その他、院内の職業被ばく等に係る安全確保のために必要な事項
6)一時立入者の線量測定や研修を規定しています。
7)他の病院から異動し、放射線診療従事者に登録する際に、被ばく歴調査と5年間の累積線量の管理が必要なことを示しています。
8)放射線診療従事者が、放射線診療に従事する前に受講すべき研修を1年度に1回行うことを推奨しています。
研修の項目は下記のとおりです。
放射線の人体に与える影響
放射線診療における放射線防護
個人線量の測定及び線量限度
放射線診療に係る健康診断
その他にも、重要な点や皆様に周知すべき事項がありますが、まずはご一読されることを推奨いたします。本記事がその一助になりましたら幸いです。
2025.12.21
群馬パース大学医療技術学部放射線学科
教授 渡邉 浩
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